多汗症と自律神経

多汗症の概要と自律神経による発汗のメカニズム

一概に多汗症と言っても、いくつかの種類に分けられます。

まず、多汗症とは、体温を調節する為に必要な範囲を超えて、異常に発汗が増加する症状のことを指します。交感神経が失調して汗のコントロールができなくなってしまい、エクリン腺(汗腺)より異常に汗が分泌されます。

■限局性多汗症

脇の下や掌、足の裏、そして股下などの汗腺の多い部分のいずれかで必要以上に発汗が促される状態を限局性多汗症と言います。これらの部位は、精神性発汗、つまり、緊張や焦り、怒りなどの気持ちによって発汗が促されます。

■全身性多汗症

それに対して全身性多汗症は、これらの部位も含めて全身で異常に汗が出る状態です。

こうした症状が出るのは、本来持っている体質による先天性形質も有りますが、加齢による変化や何らかの症状の影響で体質が変化して起こる後天性形質もあります。

私たちの体の自律神経には、交感神経と副交感神経というものがあります。

例えば、心臓の鼓動を早くする為には交感神経が働き、ゆっくりに抑える為には副交感神経が働くのが正常な状態ですが、汗を放出するエクリン腺に関しては、交感神経のみがコントロールに関わっています。

つまり、体の中で副交感神経より交感神経が優位な状態となれば、汗は自然と出やすくなってしまうのです。汗腺と副交感神経は繋がっていないものの、自律神経のどちらが優位にあるかによって、汗の出やすい状態が変わってくるということです。

  • 交感神経>副交感神経:汗が出やすい
  • 交感神経<副交感神経:汗が抑えられる

自律神経失調症になると、多干渉になる場合があるとも言われていますが、それも、副交感神経の働きが弱まり、交感神経ばかりが働くようになるので、結果として、常に汗が出やすい状態になってしまう事が原因です。

こうした神経の働きも踏まえると、本来持っている体質だけではなく、強いストレスや生活習慣によっても、誰でも多汗症になるリスクは少なからずあるということになるのです。